ケジュマロック（Kežmarok） はスロバキア北東部プレショウ県の西部にある町で、美しいハイタトラ山地の南東麓に位置している。
　そこに建つ福音派（プロテスタント）教会 　Kostol Najsvätejšej Trojice　聖三位一体教会は1717年に建てられた。当時スロバキアはオーストリアのハプスブルク君主国の支配下にあり、1648年のウェストファーレン条約によるプロテスタントの権利獲得は1681年のショプロン議会でのカソリックの反撃により制約されることになった。その協約内容は福音派の教会は道路に直接接してはならない、村落の境界に建てる、釘を含め金属や石を使わない、塔を建ててはならない、建設は1年以内に終える等厳しい物だった。その規制のもとで出来た5つの福音派の教会を協約教会（Articular church)　と呼び、Kežmarokの教会はその一つで世界遺産に指定されている。規制により当時の市街地の外に建てられている。
　教会の設計者はケジュマロックの南西に位置する町ポプラド出身の Juraj Müttermann があたりバロック様式で建てられた。十字形をしていて、幅 30m、奥行35m、高さ 21m あり1500人以上を収容できる。デンマークやスウェーデンでは教会建設のための募金活動が行われ、また北欧の技術者も参加したらしい。