フランスの南西部ラングドック地方、モンペリエ近くのエロー渓谷にある人口200程の小さな村、サン・ギレム・ル・デゼールは9世紀に、ギョーム・ダキテーヌ(755〜812)によって建てられた修道院に由来している。彼はシャルマーニュ大帝の勇敢な幕僚として、ニーム、オランジュ、ナルボンヌでサラセン軍に勝利しオランジュ公爵となった。バルセロナでの勝利からフランスに戻った48才のギョームは最愛の妻を失い、元々敬虔な彼は隠遁を決意するようになった。しかし、しばらくはシャルマーニュは彼を手放さなかったが、最後にはローマでザカリウス司祭から献上された真の十字架の断片をギョームに与え人里離れた土地 Gellone に引きこもるのを許した。彼は804年に修道院を開き、その整備と祈りと断食を死ぬまで続けそこに埋葬された。
  死後、聖十字架の断片と、列聖された彼の墓は、重要な巡礼地となりサンチャゴへの巡礼の途上に立ち寄ることが勧められた。村の名前もサン・ギレム・ル・デゼール/St-Guilhem-le-Desertと変えられた。12〜13世紀の最盛期には百人以上の修道士がいたといわれる。15世紀から徐々に修道院は傾きフランス大革命の時に廃止された。 1978年からはカルメル会の修道女達が修道院を再興している。

©Seki Kenichi

 

左手に修道院、右手は村

 

大修道院付属教会の後陣
回廊から鐘楼を望む
教会前の広場
回廊の反映
アザミに似た花が
坂の村にはたくさんの水場 巡礼の貝の印が
聖堂のプラン

写真をクリックすると大きな映像になります

map    index