xhtml1-transitional.dtd"> 漱石の「それから」を歩く

©2019 関 健一

 夏目漱石の「それから」は主人公代助が住んでいたと思われる、当時の牛込区牛込袋町か牛込北町(現新宿区袋町 北町)を中心に物語が語られる。なぜここと特定できるかは後述するが、牛込北町は私が60年来住いしている町。「それから」に多数出てくる地名もその半分は徒歩圏内で、地図がなくてもいけるところがほとんどだ。冬の1日四谷津守坂から伝通院まで地名を訪ねて Tomomi さんと約2万歩歩いた。
 参考資料は人文社発行「古地図・現代図で歩く 明治大正東京散歩」で、そこには明治40年(1907)東京郵便局 東京逓信管理局 編纂の「東京市十五区番地界入地図」による古地図が再録されている。
 「それから」は明治42年(1909)に東京朝日新聞に連載された。

 今回歩いてみて新宿区の牛込地域が江戸以来の地名を保存しいる有難さを痛感した。地名を守る会の発祥の地である牛込ならではのことだと思う。また代助の歩く道筋が実際の町と全く矛盾を感じられないことに感心した。地元に住む人間でもそのように歩くに違いないと感じるのは漱石熟知の土地だという証明だと思う。

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谷中清水町  

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