私の読書 各年のベスト1

2023.1.31 更新

2022 2021
アルツィバーシェフ
「サーニン」
ラモン・デル・バリェ=インクラン
「春のソナタ」「夏のソナタ」
「秋のソナタ」「冬のソナタ」
2020 2019

フランス・ドゥ・ヴァール
「動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか」

ベルナノス
「田舎司祭の日記」

2018 2017
前田 勉
「江戸の読書会」
上原 恵一郎
「幻視の座」
2016 2015

松下 竜一
「豆腐屋の四季」

ゴットフリート・ケラー
「緑のハインリッヒ」

2014 2013

アリス・マンロー
「林檎の木の下で」

イスマイレ・カダレ 
「砕かれた四月」
2012 2011
ダニエル・エヴェレット
「ピダハン」
マルグリット・ユルスナル
「とどめの一撃」
2010 2009

W・G・ゼーバルト
「移民たち」

リチャード G ウィルキンソン 
「格差社会の衝撃 」

2008 2007

ヴィットリーニ
「シチリアでの会話 」

シュティフター
「晩夏 」

2006 2005
ティム・オブライエン
「本当の戦争の話をしよう」

セリーヌ
「夜の果ての旅」

2004 2003
小熊英二
「民主と愛国」
J・ダイヤモンド
銃・病原菌・鉄
2002 2001
  リンザー
「波紋」
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   

 

       
第1位


 主人公のサーニンのクールで合理的なのに優しく実行力があり魅力的なところがこの小説の素晴らしさだ、取り巻く人々のリアルな不幸や情けなさの描写が閉塞感にみちたじだいをえがいているのだろう。  
第2位

ドナルド・キーン
「ドナルド・キーン著作集1
日本の文学」

 神奈川近代文学館のキーンの展示に感動して、さらにキーンと読んでみた。日本の作家の紹介が活き活きしていてその作家の作品を読みたくなる。「思い出の作家たち」のエピソードも平易で読みやすいのに的をついている印象だ。 「ドナルド・キーン著作集4 思い出の作家たち 」

第3位

瀬戸内寂聴 現代語訳
「源氏物語」

 源氏を寂聴訳で読んでみた。とても読みやすくあっという間に読了してしまった。夢のような源氏の前半生、力を持った後半生の現実の矛盾、そして宇治十帳の情けなさ。夢の醒める過程なのか  
第4位

若桑みどり
「イメージの歴史」

 独自の主張を感じられる評論は面白いだけでなく説得力を感じた。ジェンダーからの論点が鋭い  
第5位

デ・ラ・メア
「アーモンドの木」

 少年の見た美しく、そして寂しく残酷さが心に残った  
第6位

高野秀行 清水克行
世界の辺境とハードボイルド室町時代

 自己救済の社会としてのソマリアと室町時代を描いていて納得、10位『荘園」の描く世界と見事にシンクロしている。

 「辺境の怪書、歴史の驚書」は同じ著者コンビの8冊の本についての読書録だが、魅力を語ってとにかく読みたくなる。既読は「ビタハン」だけだったので、早速「ゾミア」を読み始めた。これはきっと2023年の1位の予感

「辺境の怪書、歴史の驚書」

第7位

加藤陽子
「戦争まで」


 加藤陽子のわかりやすい本は、主張の根拠が常に明示されているので信頼できる。「自明」で誤魔かす本とは大違いだ  
第8位

三橋純子
「歴史の中の多様な性」

 アカデミズムで無視、忌避されてきた「性」について実証的にそして当事者の立場から書いていて目を開かれることが多い。  
第9位

伊藤俊一
「荘園」

 貴族の世から武士の世にと平安時代から鎌倉時代は語られるが、その農業生産の基礎である荘園の性質の変換は一筋縄ではいかないことがわかって面白い。  
第10位

フランク・レドウィッジ
「航空戦」


 現代の戦争というものが、システムと生産力であるということが読んで行くとわかってくる。戦闘機の性能の問題だけではないのだ。  
番外

梯久美子
「この父ありて 娘たちの歳月」

 9人の物を書く女性の父との関係を読み解いた労作、二二六事件で目前で父を殺された渡辺和子から石牟礼道子まで、それぞれの父の生き方が彼女たちの文と生に落とした影響を簡潔に描いて胸を打つ

 

 


 

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